UVプリンターを使ってトートバッグをつくる ~縫製編~
どうも、前川です。
お待たせしました。トートバッグづくり、いよいよ完結編です。
今回UVプリンターは登場しませんが、お裁縫初心者の方でもバッグがつくれるように、縫い方を丁寧に説明します。
ちなみに、使用した生地は11号帆布という、帆布のなかでもやや薄めのものです。ミシン針とミシン糸は中厚地用の14号を使用しています。
前回印刷した布を、バッグ本体の生地に縫い付けていきます。
額縁のフチを油性マーカーで塗りつぶして、縫い付けたときに色がなじむようにします。
ちなみに、ロゴはバッグ本体の生地に直接印刷してあります。
マチ針で留めたら、端を内側に織り込んでキワを縫っていきます。
チクチクチクチク・・・
縫い終わったら裁断して、布端を裁ち目かがりで処理します。
持ち手部分を裁断し、アイロンでクセをつけてから端から1~2mmを縫います。このとき、ステンレス定規を使うとまっすぐ綺麗にアイロンをかけることができます。
生地を中表にして半分に折り、両サイドの端から10mmのところを縫います。
マチのL字の部分は、このように辺を合わせて縫います。
持ち手をつけていきます。持ち手と本体の端を合わせて、端から5mmのところを縫って固定します。本体の折り込む部分には、あらかじめ印をつけておきます。
布端を内側に織り込んだら、マチ針で固定して端から1~2mmを縫います。このとき、持ち手がズレないように注意して留めます。
バッグ内側の折り返し部分を縫います。ここが最も厚みが出る部分なので、余分なところは切り落とします(次の写真を見ると、どこを切るべきかなんとなくおわかりいただけると思います)。
端から1~2mmを縫います。繰り返しますが、最も厚みがある部分なので最も遅い速度にして慎重に縫い進めます。そうでないと、ミシン針が折れてしまいます。縫い目の長さも通常より1段階長めにすると良いです(先ほど縫った部分も、縫い目を長めにして合わせています)。
これでほぼ完成ですが、最後に大事なポイントがあります。持ち手の補強です。
このようにバツ字に縫うことで、持ち手にかかる負荷が分散されて強度が増します。
これでようやく完成です!
帆布なので、本やノートパソコンを入れても大丈夫。
可愛くて実用的なバッグができました。
工房を使ってみて、思ったこと
当初は販売する商品をつくる予定でしたが、思いの外うまくいかないことが多く、短期間で販売できるクオリティのものをつくるのは困難でした。
しかし、印刷にはたった3日間しか日数を要していません。
まったくUVプリンターを使ったことのなかった私でも、この期間で様々なことが検証できました。
今回わかったこと
- UVインクは半透明であるため、吸水性のある布に印刷した場合は色合いが薄くなる。
→そのため、黒・深い色・暗い色は再現が難しい。 - 黒い布に白インクで下地を作る場合は、最低でも2回は印刷しないと透ける。
→その場合、3回以上印刷しても透け感は変わらない。 - 黒い布に白インクで下地を作ったとしても、黒に近い色を印刷することはできない。
※Roland社製のUVプリンター・インクを使って布に印刷した場合
商品をつくることはできませんでしたが、これだけのことがわかったのですから、試作としては充分なものづくりができたと感じました。
また使用する機会があれば、今度は皮革に印刷してみようかな?と考えています。
「布にこだわらないで、異素材を使ってみてもいいんじゃない?」
工房でご一緒した作家さんから、そうアドバイスをいただいたからです。
一人で作ろうとすると視野が狭まってしまいますが、他の作家さんに意見をもらえば、アイディアは無限大に広がります。
これから何かものづくりを始めようと思っている方は、くりやまクリエイターズマーケットに出品されている作家さんに、思い切って意見を聞いてみるのもいいかもしれません。
以上、「UVプリンターでトートバッグをつくる」レポートでした。