UVプリンターを使ってトートバッグをつくる ~本番印刷編~
滞在6日目、前川です。
お待たせしました。トートバッグづくりの続きです。
前回テスト印刷をして、黒い布に印刷するには、白インクは最低でも2回は重ねた方がいいとわかりました。これだけでも大きな進歩。しかし今回のステイは7日間しかないので、とっとと本番データで印刷することにしました。
まずは白インクで下地づくり。2回印刷してもまだ透けて見えるので、3回、4回と重ねました。その結果、3回以上になると何回重ねても変わらないことが判明。
パッと見は真っ白なキャンバスのできあがり。いい感じに見えます。
さて、いよいよCMYKインクで印刷です。よし、これで出来上がりだ・・・
あれ、印刷データおかしかったのかな。なんで白いのかな。
いえいえ、データのせいではありません。幸いなことに、工房の常連さんの付き添いのもと作業していたので、すぐに衝撃の事実が判明しました。
そもそもこのデータの色合い(深い色・暗い色・黒)は印刷が難しい。
たとえレーザープリンターだとしても出せない色でした(おそらくインクジェットプリンターの染料インクなら近い色が出せると思いますが、ほぼ印刷会社に頼むしかありません)。
そして、Roland社のUVインクは半透明なため、なおさらこの色の再現が難しい。
まさかの最悪のコンボ。
ダメ元で、CMYK2回目を印刷して深い色合いになるか試すことにしました。
それと同時に、CMYKそれぞれのインクの濃さ(レベル)を調整してみました。
全体的に色みがなく、特に青っぽさが出ていないので勘を頼りに値を決めます。
そして仕上がりはこうなりました。
色味はあざやかになったけど、なぜか黒い背景が白くなり、ノイズっぽさが出る。
そう、白インク下地に深い色を重ねすぎると、白インクが浮いてくるのです。
結論。
黒い布に、黒に近い色を印刷することはできない。
何日もかけて、ようやくひとつ大きなことがわかりました。
しかし、悔しさを覚えた前川は、白い布でならこの色が再現できるのかをテストすることにしたのでした。
(続く)